茨木屋の減塩かまぼこのコンセプト

塩はかまぼこにとって不可欠

かまぼこは魚肉と塩とがつくりだした食文化です。かまぼこは魚肉と塩さえあればつくることができます。かまぼこにおいて、塩は二つの重要な役割を果たしています。

その一つは適量の塩が魚肉中に含まれている塩に溶けるタンパク質を溶かす働きです。溶けだしたタンパク質はやがて複雑に絡み合って網目状の構造をつくり、最終的にかまぼこ特有のゴム状の物性を作り出します。

この物性を「足」と称しかまぼこの生命だといわれています。

もう一つは、これも適量の塩が調味の役割を果たし、魚肉の味を引き立たせています。この二つの「適量の塩の量」が偶然一致しており、魚肉100に対して2.0~2.5であります。

塩はかまぼこの物理的味である「足」と化学的味である「旨味」にとって不可欠なのです。

健康のため塩分の摂りすぎに警告が発せられている理由

人の体にはカリウムが0.20%、ナトリウムが0.15%と、カリウムがナトリウムの約1.3倍含まれています。どちらも必要不可欠なのですが、カリウムはナトリウムより多く摂るのが自然であります。

天然の食品(野菜、生魚等)にはカリウムとナトリウムがバランスよくふくまれています。しかしながら現代の加工食品を多く食べる食生活では、カリウムの摂取が少なく、一方でナトリウムを摂りすぎることになってしまっています。これが健康上よからぬことをひきおこし、時には高血圧や脳卒中を招くなどといわれています。

塩すなわち塩化ナトリウムにはナトリウムが約39%含まれているので健康のために塩のとりすぎに警告が発せられているのです。人の体内には、その他カルシウム、マグネシウム、鉄など色々なミネラルが含まれていますが、ナトリウムやカリウムを含めてこれらのミネラルをバランスよくとるのが、健康な食生活と云えます。

では塩化ナトリウムを高純度に含む精製塩の代わりに貴重なミネラルを含む天然塩を使用すれば、この問題が解決できるかといえば、残念ながらそうはいきません。

何故ならば海水のナトリウム含量はカリウムの27倍になりバランスがいいとはいえません。そこで厚生労働省では成人1日の食塩(塩化ナトリウム)の摂取量の上限は10gが望ましいとしています。

製法

冒頭にも記しましたが、かまぼこには適量の塩が必要です。

塩といえば塩化ナトリウムですが、タンパク質を溶かしだすためならば、必ずしも塩化ナトリウムでなくても、その仲間である塩化カリウムを塩化ナトリウムがタンパク質を溶かしだすのと同等のイオン強度にすれば、かまぼこの製造要件の一つである。タンパク質溶出・足形成が可能である。

もう一つが味すなわち旨味である。当社ではこの点をクリアーいたしました。

自然食品と加工食品のNa(付;食塩換算)とKの含量
「五訂日本食品成分表より」

自然食品
植物性食品 Na
mg/100g
食塩換算量

mg/100g
小麦粉 0.01 120
さつまいも(蒸し) 0.01 490
さといも(水煮) 0.00 560
じゃがいも(蒸し) 0.00 330
だいこん(生) 17 0.04 230
動物性食品
あじ(生) 120 0.31 370
あまだい(生) 73 0.19 360
まだい(生) 55 0.14 440
まぐろ(生) 49 0.12 380
するめいか(生) 280 0.71 220
加工食品
食パン 500 1.27 97
豆腐 13 0.03 140
ポップコーン 570 1.45 300
ぎょうざ(冷凍) 490 1.25 200
ロースハム 1000 2.54 260
プレスハム 930 2.37 150
蒸しかまぼこ 1000 2.54 110
はんぺん 590 1.50 160
さつまあげ 730 1.86 60
茨木屋 千年寿しんじょう 401 1.02 483
従来品 606 1.54 56
茨木屋 京一番しんじょう 461 1.17 407
従来品 674 1.71 55
(財)日本食品分析センター
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